日時 2009年6月12日 12時〜
    JR古座駅から車で10分
   
    【鳥の種類】 トビ、カラス、ウグイス、ツバメ、スズメ

   

    世界最小のトンボ
   

     古座川の支流に直見という山田がある。そこに天然記念物であるハッチョ
    ウトンボという世界最小のトンボがある。成虫でも3センチぐらいで、真っ
    赤なトウガラシに羽根をつけたような体形である。このトンボが天然記念物
    とは不思議だが、このような昆虫が生息していることが、古座川の自然が豊
    かな証明であろう。
     しかし、自然の豊かな古座川町が、限界集落の先端を走っているというの
    は、皮肉である。自然と人間とが調和できない日本の社会の仕組みが残念だ。
    このような矛盾は、政治の失政に起因することが大である。わたしは、米価
    の維持のために、減反政策を実施して、無駄な補助金をばらまいている農政
    がふしぎでならない。米価維持のために、減反すれば補助金をばらまく農政
    に従っている農民にも問題があろうが、コストを無視した愚劣な政策を実施
    した政府が間違っていることは、言うまでもない。
   


    山のあなたの空遠く
   

     古座川流域をバードウッォチングしてみると、トビや水鳥が多いのが目立
    つ。トビが多いのは、餌になる魚が多いためであろうが、山の彼方の空を舞
    っているトビをみると、カール・ブッセの詩を思い出した。

     山のあなたの空遠く
     「幸」住むと人のいふ
     ああ、われ人と尋め行きて
     涙さしぐみ帰り来ぬ
     山のあなたになお遠く
     「幸」住むと人のいふ

    (上田 敏全訳詩集「海潮音」)

     トビの鳴き声が、私は幸せだよと呼び掛けているようだ。トビが「幸」の
    象徴に思えた。昨今の大不況下の日本では、トビになりたいと思っている人
    間様も多いのではなかろうか。
     鵜の目、鷹の目というが、トビの視力は鋭い。一枚岩の河原で食事をして
    いたら、上空を舞っていたトビが急降下して、弁当を攫われそうになった経
    験がある。あの高さからキツネズシを見つけた視力は、素晴らしい。残念な
    がら、気づいた私に追い払われた。「トビにあぶらげ」といったことわざも
    あるように、その視力はトビを絶滅から救っているのである。