熊野地域の最大の課題は、65歳以上の高齢者が地域人口の過半数を超える限界集落が増加の傾向を示していることである。限界集落の増加は、必然的に自治体を限界自治体化する。限界自治体のもとでは、地域住民の暮らしはどうなっていくのだろうか。

 2009年現在、政治・経済は混乱しており、地域住民の暮らしは破壊されている。いわくシャッター通りや耕作放棄地の増加、中小企業の衰退、箱ものづくりの公共事業の繰り返し、要介護高齢者の増加、地域医療の崩壊などは、中山間地にとどまらないで沿岸地域にも及んでいる。

 2005年、「地域再生法」が制定されたが、霞が関の官僚の作成になるこの法律は、相変わらず土木事業中心である。中身は、橋、道路、港、空港、ダム、河川改修、体育館、ホールなど、自治体財政崩壊につながる政策のオンパレードである。地域住民の家計を温め、生活向上を考えない「地域再生」など絵に描いた餅である。

 今求められているのは、地産地消の食料生産、地場産業の活性化、地域ケアの充実でないだろうか。キイワードでいうと、Food、Fitness,Economy、Ecology,Care、CultureなどダブルFEC,つまり食料、健康、経済、環境、介護・福祉、文化を中心に地域再生を図ることが、熊野地域起こしの道筋でないか。地方分権をいうなら、そこに予算を集中して投入すべきであろう。

 わたしは,熊野地域のFECに関わっている地域起こしの住民や団体を紹介し、地域振興の一助にしたい。名づけて、「熊野地域起こし列伝」である。読者諸賢のご愛読を賜りたい。